SEMINAR

11月13日(金)プロジェクト研究会 「ホロコーストの歴史とロシアにおけるホロコーストの記憶継承 -旧ソ連地域におけるホロコースト研究と、『正義の人』 杉原千畝の位置づけ-」 を行いました。

On Friday, November 13th, Seminar 'Holocaust History and the Memorialization of Holocaust in Russia -Holocaust Research in the Former Soviet Union and the Place of Sugihara Chiune, the "Righteous Gentile", Within It-' was held.

日時:11月13日(金) 18:00~19:30
場所: 世田谷キャンパス メイプルセンチュリーホール 5階第1会議室
講師:イリヤ・アルトマン(ロシア国立人文大学教授、ロシアホロコースト研究教育センター共同議長)

Date:13th, November, 2015, FRI 18:00~19:30
Venue:Setagaya Campus, Maple Century Hall, 5th Floor, 1st meeting room
Lecturer:Ilya Altman (Professor, Russian State University for the Humanities / Co-Chairman, The Russian Research and Educational Holocaust Center and the Holocaust Foundation)

コーディネーター:ジンベルグ・ヤコブ(21世紀アジア学部)
Coordinator:Yakov Zinberg (School of Asia 21)

2015年11月13日に行われたアルトマン教授の講演は二つの柱からなっていた。ひとつはソ連崩壊後のロシアにおけるホロコースト理解の進展過程を明らかにするものである。もう一つの柱は、第二次大戦直前のリトアニアのカウナスに日本領事補佐として赴任した外交官杉原千畝が、ポーランドのユダヤ系難民に日本国通過ヴィザを発給し、これを受けたソビエト連邦政府がソ連領の通過ヴィザ・移動手段・宿泊施設を提供し、難民の日本への移動に果たした決定的な役割を、ロシア所蔵の資料をもとに行った詳細な調査・分析である。アルトマン教授の来日の過程では、ロシア政府が歴史上はじめて、杉原千畝の人道的行為および、日ソ貿易の発展に氏が果たした大きな役割を認めたことが特筆される。杉原千畝は1960-1978年の期間モスクワに日本企業の駐在員として滞在したが、この活動とユダヤ難民の救済に対する感謝と敬意の印に、駐日ロシア連邦大使は、アルトマン教授の講演当日、杉原氏の親族を大使館に招き、杉原氏を記念するプレートのレプリカを手渡した。このプレートは、杉原氏がモスクワ駐在のあいだ事務所としてまた住居として使っていたウクライナ・ホテルに設置される予定で、現在計画が進んでいる。レプリカ授与の後、杉原氏の親族はロシア大使館の手配で、国士舘大学に到着し、アルトマン教授の講演に出席した。
 ジンベルグ・ヤコブ教授は、アルトマン教授の講演に先立ち、アルトマン教授とともに、ユダヤ系難民の日本国内移動のルート: 敦賀港から神戸でおこなった調査について語るとともに、原子爆弾による悲劇を経験した日本国民と、残酷な絶滅の過程を経験したユダヤ民族に、これらの悲劇の根には人種差別があることを述べ、人間に対する憎悪を根絶するために闘う責務を共有しようと呼びかけた。ジンベルグ教授はまた、歴史を政治化し歪曲することはマイナスの結果をもたらすと訴えた。
 講義への出席者は80人を超えた。研究プロジェクトの結果に関する詳細は、アジア・日本センターの刊行物に掲載される予定である。

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ロシア大使館構内。中央がアルトマン教授。
右から二人目はエブゲニー・アファナシエフ 駐日ロシア連邦特命全権大使。 

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杉原家のご親族4名の方にもご来場頂けました。

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