2009年度 世田谷市民大学 連続講義


「現代アジア都市の肖像」

第1回 梶原先生 4月15日 2/10
王都の憂鬱:バンコク
それから国広ジョージさんは、国士舘大学理工学部の建築学科の教授で、上海の旧工場跡の保存やアジア全域の歴史的建築、すなわち遺産、かつての19世紀、20世紀の建物が今日どういう形で再利用できるか、あるいは文化遺産としてどう保存するかというような仕事をやっていらっしゃいます。そのご経験に基づいたお話がうかがえると思います。
藤田淳さんは、この方も21世紀アジア学部の客員教授で、ご専門はインターネットのプログラムを開発やエディターとしてのお仕事をやってらっしゃいます。電脳的空間として見た都市というお話をしてくださるだろうと思います。
宮脇淳子さん(岡田淳子先生)は、モンゴル史の日本でも数少ない専門家でいらっしゃいます。宮脇さんはモンゴル史、あるいは中央アジア、北東アジア史のご専門ですが、朝青龍はなぜしかられるのかというような論考やご本もお書きになっています。おそらく今回は歴史的なお話に加えて、現在のウランバートルなどの都市の状況についても語られるでしょう。

今申し上げましたように、都市というのは理論的に一般化することも不可能ではありませんが、やはり都市の魅力はなんといっても、それぞれの都市がそれぞれの特徴を持っていたり、風情を持っていたり、雰囲気を持っていたり、場合によっては都市の香りというようなものがあるという、具体的に我々が感じられる場所でもあることでしょう。
たしかにグローバル化が進んで都市の個性というものがなくなって、どこにいってもケンタッキーフライドチキンがあるという状況も一方では進んでおりますが、しかしながらそれぞれの都市が均質化に向かう傾向のなかで、やはりそれぞれの都市が個性や特徴をまだ維持している、あるいはそこにせめぎ合いが起こっているというのが今のアジアの都市の多くの特徴であろうかと思います。
そうした点についてもそれぞれの講師が触れてくださることだろうと思います。お聞き下さると現代アジアのいくつかの都市が抱えている問題であるとか、あるいはその中に現れる共通性と、ここはここ、あそこはあそこという個性が浮かび上がってくるのではないかと期待しております。またそうなれば、今回の企画に多少の意味もあるのかなと思います。
少し本学の宣伝をさせていただきますと、国士舘大学にはいろいろな学部がありますが、今申し上げましたようなアジア関係の教育、研究に集中しているいくつかの部局は、どちらかというと最近できたものばかりですが、なるべく開かれた大学を目指して、地域とも協力して、外国とも提携して、という方向性を考えておりますので、また様々な機会に応援していただければと思います。

<バンコク:都市の構図>
それでは早速バンコクのお話に入りましょう。たまたまこの1週間ほど、テレビのニュースでバンコク争乱がよく取り上げられています。タイのニュースが毎日テレビに出てくるというのは、ここ数年でもそうはありません。クーデターやデモが起こるときだけがよく報道されますが、デモが起こって少しデモが荒れて飛行場が占拠される、これは昨年の12月でしたか。