2009年度 世田谷市民大学 連続講義


「現代アジア都市の肖像」

第3回 松岡先生 5月13日 2/9
ムンバイ:"ボリウッド"から世界に発信する大衆文化の都
皆さんおはようございます。私が、3回目と4回目を担当します松岡環です。国士舘大学の非常勤講師で、国士舘大では「南アジアの文化」という授業を担当しています。そのほか、夏の集中講座で「アジアの映画」という科目も教えています。私はもともと、インドの言葉のヒンディー語というのを専門に勉強しました。新聞等ではよく間違えられてヒンズー語と書かれたりするんですが、ヒンズー、あるいはヒンドゥーというのは宗教、ヒンドゥー教のことですので、ヒンドゥー語というのは間違いです。言葉はヒンディー語といいます。
この言葉を専攻して、言葉を学ぶために映画を見始めたところ、インド映画がすごく面白くなり、インド映画研究とその紹介を始めたという人間です。その後、香港映画も好きになり、さらにインドと香港の間にある東南アジア映画も面白くなって、ということで、今は韓国からイランまでの映画をカバーして、各国の映画史とともに、各国の間で映画あるいは映画人がどういうふうに動いていったかという、アジア映画交流史というのを研究しています。

私は大学で教えたりする傍ら、映画の字幕の仕事もやっていまして、今日、皆さんのお手元にチラシをお配りした、今度公開される『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』という映画の字幕も担当しています。あと、10年ぐらい前に、『ムトゥ 踊るマハラジャ』というインド映画がブームになったんですけれども、あの映画の字幕も担当しました。あの映画は、実はヒンディー語ではなくて、タミル語という言葉の映画なんですね。インドにはいっぱい言葉がありまして、方言なんかも入れると200から300言葉があると言われたりしています。ヒンディー語は北インドの言葉で、タミル語は南東インドの言葉になります。
今日は専門のインドのお話をして、それから来週はシンガポールのお話をして、ということで、2回皆さんとご一緒したいと思っています。

今日のお話は、ムンバイという、西インドにある都市についてです。インドは日本の約9倍の面積がある大きな国で、いつも大体、北インド、西インド、南インド、東インドというふうに分けて考えたりしますが、今日のレジュメにも書きましたように、それぞれに中心となる大都市があります。
ムンバイは西インドの中心的都市で、マハーラーシュトラ州の州都でもあります。人口は約2,000万人と、非常に人口が多いんですね。ムンバイの地図を見ると、南半分の部分、これがちょうど東京23区に当たるシティーと呼ばれてる部分です。それからその北の郊外の部分とで成り立っています。
ムンバイは、以前ボンベイと呼ばれていました。1995年に名前が変わったんですが、なぜ名前が変わったかというのは後でまたご説明します。

ついでにここでインドの4大都市というのを見ていきますと、北インドの中心地はデリーになります。デリーが現在のインドの首都です。デリーは州ではなくて、デリー地域というのが国の直轄地になっており、その中にデリーとニューデリーがあります。もともとはデリーという町があり、そこにイギリスの統治時代に開発されたニューデリーという地区が南側に伸びていった形です。ニューデリーと区別して、北側のデリーの方をオールドデリーと呼ぶ場合もあります。デリーは人口が1,800万人ぐらいです。