2009年度 世田谷市民大学 連続講義


「現代アジア都市の肖像」

第9回 宮脇先生 6月24日 1/9
遊牧民と農耕民が交わる首都:北京
おはようございます。宮脇淳子です。私は今週と来週の2回担当しますが、私の専門が歴史なので、北京とウランバートルの歴史的な話をさせていただきます。
北京に行ったことがおありの方はちょっとお手をお挙げください。はい、ありがとうございます。かなりいらっしゃいますね。いらしたのは最近でしょうか昔でしょうか、両方の話をいたしましょう。私は一番最近は、オリンピック直前の2008年3月に行ってまいりました。その時の写真も、古い写真も用意しました。半分ぐらいの方は北京をご存じないようですので、両方の方が興味を持てるような話をしたいと思います。

1.現在の北京市:中華人民共和国の首都
「北京」を私たちは「ペキン」と呼びますが、この発音は南方方言です。中国の共通語である「普通話(プートンホア)」では、北京は「ベイジン」と発音します。中国は地方によって発音が非常に違いますので、現地音をカタカナ書きにした地図なんて意味ないと、私は常日頃思っています。漢字は見てわかる通信手段なんだから漢字のままでいいんです。
北京市と、天津と上海と重慶と併せて4つが中国の直轄市です。だから、行政上の北京市の面積は非常に大きくて、日本の四国と同じくらいあります。
人口は、戸籍人口は1200万ですが、住んでいる人口は1600万です。でも、この数字は全然あてになりません。出稼ぎの人がどんなに来ても統計には入りません。北京市には人がいっぱいいるように思いますが、地域が広いので、人口密度は東京都に比べると非常に低くなります。ただ、市内の人口850万は、東京23区人口とほとんど同じです。
今からお見せする写真は、2008年3月に北京に行ったとき、司馬台(しばだい)という万里の長城に行く途中に通った場所です。これが北京の水瓶なんです。まわりには何にもないの。本当に荒れてる。北京市だけなんですね。綺麗で水があって、ホテルでジャージャー水を使う。ここに住んでいる人たちは、一日のうち3時間しか水が来ない。都心にスプリンクラーで水をまくために、水源であるダムの周りではとうもろこしも植えられないと言っていました。ここも北京市ですよ。これで人口を割ったらそりゃあ人口密度は低いですよね。