2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第10回 福田先生 6月23日 1/8
台湾の家族 「外籍新娘」や「大陸新娘」がつくる新たな家族
おはようございます。先週に引き続き今週も中国と台湾の家族ということで、今日は台湾の家族についてお話したいと思います。

先週は改革開放と中国都市家族の変化についてお話ししました。80年代に入って、資本主義経済が取り入れられると、中国の結婚観や結婚市場の状況もかなり変わったといわれています。つまり、資本主義経済が復活したことによって、伝統的な男女観が復活したといわれます。女性、結婚、家庭という意味では女性が虐げられている、妾にされたり、様々な家庭内暴力があったり、ということが指摘されます。しかし、他方では、女性の地位が上がっているという側面もあります。高学歴化し、女性でも社長になる人が沢山出てきて、こうした妾を持つとか、離婚したら差別されることはおかしいと、女性が立ち上がっているという傾向もあります。
そういった傾向のなかで一つ、新しいトレンドとして言えますのが、今日お話しします「大陸新娘」という、台湾に嫁ぐ中国人のお嫁さんのお話です。このプリントでは、下半分のところに書いております。中国からなぜ女性が台湾にお嫁に行くのかという背景についてまずお話したいと思います。中国では戸籍制度がありまして、農村の方は都市の男性と結婚しなければ、都市の戸籍を得ることができません。つまり、農村から出ていくことができないわけですね。ですから、農村の男性というのはなかなか人気がないという状態が続いています。それに加え、女性が高学歴化し、経済的にも豊かになっているということがありまして、中国全体の結婚市場において男性が余っているという状態があります。それにも関わらず、中国の女性たちは台湾やそれ以外の海外に嫁いでいくということが最近増えているようです。その背景には、よりよい社会に行きたいという願望などがあると言われています。

移民社会台湾の変容
今日は、この問題を台湾、受け入れる台湾側からみていきたいと思います。台湾と中国の分断状態というのは60年以上続いておりまして、政治、経済、社会それぞれ発展において異なる道を歩んでまいりました。ですが、中国と台湾で使用されている言語は同じですので、台湾は中国の女性たちにとって魅力的な嫁ぎ先です。そういった地域には、ほかにシンガポールもございます。シンガポールも華人社会ですから、中国からシンガポールに嫁ぐ人たちも多いと聞いています。しかし、中国から台湾に嫁いでいくということは、どうしても中国と台湾の統一、独立という政治問題にも結び付けられ、論争となることが多いですので、今日はそのあたりも交えながらお話していければと思います。
まず、お嫁さんが入ってくる側の台湾の現状を簡単にご説明しておきます。台湾は「移民の島」と呼ばれるほど歴史的に人の出入りが激しいところでした。台湾の先住民族はマレー・ポリネシア系の方だと言われています。その台湾に、明末から清の時代に福建省などから多くのホーロー人、客家など移民が入ってきて、混血が進みました。これが台湾の移民史の第一段階だと言われています。