2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第10回 福田先生 6月23日 7/7
台湾の家族 「外籍新娘」や「大陸新娘」がつくる新たな家族
さきほどのCMは政府により制作された、模範的なものですが、もう一つ、ベトナムの花嫁について扱った、台湾のテレビドラマをお見せします。ドラマのタイトルは「私のことを外国人妻と呼ばないで」というタイトルです。

<動画開始>

この人はお姑さんで、少し分かりにくいですが、お姑さんはお嫁さんの悪口を言うときは台湾語を使います。お嫁さんは中国語を少し勉強していますから、聞き取れるのですがですけど、台湾語は分からないので、台湾語でお嫁さんを罵るわけです。今ですね。結構このお嫁さん性格が激しい人なので、「何て言ったか私は全然わからないわよ」と言ってけんかをしているところです。
今、もう1回、嫁に言いたいことだけを中国語で言い直します。その内容は何かというと、「あなたのおなかの中にいる子供は本当にうちの息子の子供なのかしら、そうじゃなければ、さっさとベトナムに帰りなさい」と言っています。

<動画終了>

こういう感じで、この地域はたぶん台湾南部郊外の町という設定だと思いますが、かなりベトナム人のお嫁さんが多い地域で、各家庭においていろいろな問題が発生するといったドラマになっています。こういうドラマが作られるぐらい、外国人妻の問題というのは台湾では誰もが知っている、身近に感じる問題になっています。

最後にもう一度中国人妻の話に戻りまして、少しお話ししたいことがあります。台湾において中国人妻が増加を続けるとなると、みなさんがお持ちになる疑問は、「中国大陸からのお嫁さんが増えると、台湾と中国というのは人的にどんどん融合が進んで、統一されるのか」という問題かと思います。台湾では、定期的になされているアイデンティティー調査がございます。自分を中国人と認識しているか、台湾人と認識しているか、などを問うものです。こういった調査結果を見ると、やはり今は自分が台湾人であるというふうに認識する人、それから台湾人でもあり中国人でもある、つまり、中国人でもあるけれども、やはり中国大陸の人とは違うという意識がかなり広がっています。外省人系の家庭の人でも、私たちと同世代の人というのは、自分たちの家庭のルーツは中国大陸にあるかもしれないけれど、現状として中国の人たちと自分たちは、全然違う社会で育ち、違う価値観を持っていると認識している場合が多いです。ですので、こういった状況が逆に今、台湾に中国人の花嫁を受け入れられるというか、ただ単にベトナムからの花嫁を受け入れる、タイから受け入れると同じように、中国大陸から受け入れるというような背景になっているのかなというふうに、私自身は考えております。