2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第6回 松岡先生 5月26日 7/9
インドの家族2 映画『家族の四季』から読み解く理想の家族
●プージャーの口添えで、ローハンは身分を明かさないまま、自分は「ヤシュ」という名前だと偽ってラーフルの家に下宿することになります。「ヤシュ」という父の名前なら、ラーフルが断れないことを見越していたのです。そしてことあるごとに、ラーフルとアンジャリーに両親の存在を思い出させようとします。



アンジャリー
父は冗談好きの人で、死んだら毎年誕生日に法事をと言っていたの
今のプージャ見たら気絶ね

ローハン
亡くなられて寂しいでしょう

アンジャリー
そうね

ローハン
やはり家には年長者がいないと
どこか欠けている気がしませんか?
思い出さない? 父親のこと



●そのほかローハンは、すっかり欧米化していたプージャーをインド人女性らしくしたり、ヒンドゥー教の祈りの場に立ち会わせたりと、「インド化」を実行します。ラーフルとアンジャリーの小学生の息子クリシュが学校行事で歌を歌う時には、「ドレミの歌」の代わりに「インド国歌」を歌うようし向け、ラーフルとアンジャリーを感激させます。



(インド国歌)
作詞:ラヴィンドラナート・タゴール
全ての民の心におわします方
わがインドと運命を共にする方
パンジャーブにシンド、グジャラート、マラータ
ドラヴィダの地とオリッサ、ベンガル
ビンディヤ山、ヒマラヤ、ヤムナ河にガンジス河
これらの地に響く太洋の波の音
聖なる祈りがわき上がり、聖なる祝福が祈願される
栄光の歌が口ずさまれる
全ての民に繁栄をもたらす方
わがインドと運命を共にする方
讃えよ、讃えよ、讃えよ
その名を讃えよ



(イギリス人児童が大半であるクリシュのクラスが、全員でインド国歌を歌うことは考えられませんが、こういうシーンがあることで、インド人観客や海外在住インド人観客は大変感銘を受け、祖国への誇りを感じるわけです)