2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第3回 宮脇先生 4月28日 1/10
モンゴルの家族1 歴史上の結婚関係と部族同盟
宮脇淳子です。二回にわたって「モンゴルの家族1、2」の話をさせていただきます。 1回目の今日は、私の専門の歴史の話、モンゴル帝国とチンギス・ハーンと、その子孫の話をメインにします。2回目は現代モンゴルの話、朝青龍のことや男と女の関係や、遊牧民の家族が都市生活をするようになってどんなふうに変わるかという話を用意しました。 ちなみに去年私の講義を聴いてくださった方。結構いらっしゃる。ちょっと重なるところもあると思いますが、ご了承ください。

それではまずモンゴルの綺麗な風景をお見せしましょう。友人のカメラマンが撮った写真です。最初の写真はお母さんが馬の乳搾りをしています。馬乳酒は、彼らにとっては最も大切な飲み物です。馬乳酒には二種類あって、アルコール度の弱いヨーグルトのような味の発酵酒をアイラグといい、夏の間は子供もたくさん飲みます。透き通った蒸溜酒はアルヒといって、何度も蒸溜すると50度とか60度とかどんどん度数が上がります。この蒸留酒のアルヒが元朝時代に中国に入って高粱酒などの白酒になりました。朝鮮半島の焼酎もモンゴル時代からです。中国にはそれまで、日本酒と同じような醸造酒しかなかったのです。でも今のモンゴルでは移動に車やオートバイを使うため、馬の数が減って馬乳酒は貴重品になってしまったので、現代モンゴルのアルヒはロシアのウォッカと同じく穀物で作ります。
次の写真ですが、下の方に白いテント、ゲルといいますが、1個しかありません。まわりに少し倉庫のようなものが見えていますが、家畜が全然いないのは、男が家畜を連れて遠いところに行ったあとだからです。家畜が100頭もいたら、あっという間に草がなくなるので、なるべく遠くへ連れて出て、それでも牛などが戻ってきたら家の周りの草を食べますので、やはりだんだん荒れてきます。そうすると移動します。 モンゴルでは水がとても大事なので、なるべく水の近くに家を置きます。夏は水浴びをして体も綺麗に出来ます。水運びは重労働ですが、女や子どもの仕事です。草原のまんなかに井戸を掘る時もあります。そうすると、みんなの共有井戸なので、とっても大切にします。モンゴルでは本当に人が少ないので、人を見つけると嬉しいという。