2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第3回 宮脇先生 4月28日 9/10
モンゴルの家族1 歴史上の結婚関係と部族同盟


次はラシード・ウッ・ディーンがペルシア語で書いた『集史』の挿絵です。イランを支配したモンゴルのイル・ハーン朝の宮廷を描いた絵ですが、玉座が横長の、まるでラブチェアで、左に君主、右に妃が座っています。ミニアチュールと呼ばれるイスラムの絵は、インドでもムガール朝時代に流行りました。ムガールというのはモンゴルのペルシア語読みなんですが、イスラム教では本当は人間の顔は描いてはいけないはずでしょう。それなのに人の顔を描くようになるのはモンゴル文化の影響です。モンゴル帝国の子孫は西方ではイスラム教徒になるのに、あいかわらず女と一緒に酒盛りするの。つまり、遊牧民の文化を維持しているんですね、絵にある長い帽子が高貴な婦人の特徴で、正夫人が1人だけ夫と同じ高さの椅子に座って、右には残りの妃たちが控えています。左側に息子たち、その下に家来たちがいます。この本は今パリの国立図書館にあります。

これが、母方がモンゴル人のイワン雷帝の顔です。この時代までは、ロシアはまだモンゴルから派生した国家の一つで、でもキリスト教を信じているところが違っていました。