2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第4回 宮脇先生 5月12日 11/11
モンゴルの家族2 遊牧生活から都市生活へ
最後にもう少し写真をお見せしましょう。都市のアパートのキッチンには、一応オーブンがあって、電気やプロパンガスがきています。
赤ちゃんはこんなふうにぐるぐる巻きにします。
女の子でももちろん馬に乗りますし、競馬もします。 男女の差というのが本当に少ないです。チンギス・ハーンの時代から女だって戦争に行きましたからね。もちろん、行きたくなければ行かなくてもよかったんですが。女の子も放牧に出かけることもあります。

モンゴルの法律について質問されたんですが、遊牧生活には慣習法の長い伝統がありましたが、都市生活における法律は、最初はソ連のものをそのまま流用しました。でも、民主化後、税金をどうやって取るかとか、会社をどう作るかといったことは、何も知らない。それで、日本の中央官庁のお役人とかJICAの人たちがたくさんモンゴルに支援に行きました。日本語が良くできるモンゴル人が日本の法律のモンゴル語訳を熱心にしました。
モンゴル人はもともと個人主義ですが、助け合いの精神だってもちろんあります。民主化直後は自分のことで一所懸命でしたが、それでも大家族主義は残っています。私の友人が日本政府のお金で日本に10カ月滞在したとき、親戚全部のリストを持ってきて、10代の女の子30人、20代40人、30代、40代など、男性も年代に分けて人数が書いてある。帰ったとき、もしかしたら彼女ができているかもしれないからとちょっとプラスして、2カ月間の給料はぜんぶお土産に使った。「あー、やっと終わったから自分のものが買える」って。偉い人はみんなに分配するという習慣は残っているわけです。全員に平等に買う。男女の差もないし、一日早く生まれたか遅いかという長幼の序もないし、先輩後輩もない。家族制度の話になったかどうかわかりませんが、私の話はこれで終わります。






写真撮影:大塚知則