2010年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの家族」

第11回 土佐先生 6月30日 9/9
韓国の家族1 伝統と変化
近代化と韓国の家族制度
韓国の家族制度というのはそういう歴史的なダイナミズムの中で形成されてきたものです。韓国人自身もこれは韓国的だと思っているのは、実はけっこう新しいものが多いということが分かってきました。解放後、韓国のいわゆる開発独裁体制は、儒教的な家族制度というものを強化していって、軍人が威張っている時代が続きました。そうするとやはり男が中心の家族像が強調されるのですけれども、そういうものに対する批判というものが最近の韓国ではものすごく活発にあらわれています。1990年代以降とくにそうなのですけれども、一つだけ例を出しておきます。 これは『正しい生活』という小学校の教科書に出ている挿絵ですけれども、もともとは上の絵が採用されていました。左の絵では家族だんらんで食事をしていますけれども、お母さんは給仕をしている。右の方はお墓参りをしている場面ですけれども、お母さんはやはり見守っているというか、父親と長男が一家の柱ですから、彼らが祖先に拝礼をしているときもお母さんは控えているということですね。これたいして非難が巻き起こり、訂正されて実際に2007年の教科書に採用されたのが下の絵です。こちらでは、みんなで一緒にご飯食べている。一緒にお墓参りをしている。このエピソードが代表しているような変化が今、韓国の中で起きようとしています。それについて次回お話しできたらと思います。