2011年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジアの幸せ」

第10回 陳先生 6月22日 2/4
上海若者の幸福観
以下はいくつかの調査報告を挙げてお話します。

1.世代別の「幸せ・不幸せ」
中国が独自に行った「2010年中国都市住民幸福感調査」によれば、75%の中国人が今の生活について幸せと感じているといわれています。同調査の結果によれば、60代の中国人は今の生活について「非常に幸せ」と感じており、70代以上の世代では、「不幸せ」と答える者はとても少ないといいます。幸福度がもっとも低いのは30歳以下の若年層で、30代と40代の世代では、「非常に幸福」と答える割合は比較的に低いです。

2.収入と幸福度の関係
急速な経済発展とともに、最近の中国人は「幸福感」に対する関心が高まっています。中国中央テレビ局財経チャンネルは8万人を対象に、「2010経済生活大調査」を行いました。その結果、「幸せだ」と「とても幸せだ」と答えた人は44.7%を占め、「不幸せだ」と答えた人は11.1%を占めています。
「家庭年収入」から見ると、高収入層は高い幸せ度を示していますが、不幸せを感じる割合はほぼ変わらないことが分かりました。
また、収入層問わず悩んでいるものは「医療」と「住宅」であることも分かりました。社会保障の完備は中国政府にとって最も力を入れなければならない課題であります。

3.若者が求める幸福とは?
2009年1月28日、新華網によると、中国の未成年者の多くが「幸福な人生に必要なのは健康と円満な家庭」と考えており、「お金も重要ではあるが、人生をかけて追い求めるものではない」と見ていることがわかりました。「人生で最も幸せなこととは?」という設問に対して、約65%の人は「健康と楽しさ」と答えました。

4.幸福=マイホーム?
2009年11月19日、中国青年報によると、8割が「幸福と持ち家とは関係がある」と回答し、そのうち69.9%が「幸福な家庭にはマイホームが必須」と考えていることが分かりました。
大学生に対して行われた住宅に関する調査によると、57.6%の大学生が「卒業後5年以内に住居を購入する」と答え、 26.2%が「卒業後10年以内」と答えた。「賃貸住宅に住む」と答えたのはわずかに3.6%にすぎなかった。さらに62.9%の大学生が住宅に関する優遇政策を希望すると答えました。また、女性の方が「結婚より住居を優先する」との意識が高かったです。「マイホームがない男とは結婚しない」、これが最近の中国人女性の本音のようです。高騰しすぎて手が届かなくなりつつあるマイホーム購入のため、金策に苦労している若者も増えています。
国際的に見れば住宅価格は年収の3から5年分に相当するのが一般的です。中国では明確な統計はないですが、少なくとも年収の10年分、多く見積もれば20年分以上に相当するとして、世界で最も住宅価格が高い国家になっていることを明らかになりました。