2012年度 世田谷市民大学 連続講義


「アジア女性群像」

第4回 宮脇先生 5月9日 1/7
中国恐妻の歴史と儒教
2回目です。最初に計画したときには「中国恐妻の歴史と儒教」という題名だったのですが、最近私が刊行した本のタイトルを使って「中国美女の正体&韓流はウソだらけ」という題に変更します。儒教の中で女はどういう役割を持っているか、中国や朝鮮半島における女の地位がいかに日本と違うかを、私が書いた本やエッセイを材料に話をします。
写真(11)
写真(11) 『中国美女の正体』(フォレスト社)という本は、私と、産経新聞の元北京特派員の福島香織というジャーナリストとの対談本です。福島さんは大阪大学を卒業し、産経新聞に入社したあと、上海の復旦大学に留学して、産経新聞の香港支局長をしたあと、北京に赴任しました。中国語が話せるので、現地でホステスとかOLとか農村の女性などにインタビューをして歩いて、『潜入ルポ 中国の女』(文藝春秋)という本を出しましたが、外国人記者が入ってはいけないエイズ村の取材までして、中国当局ににらまれました。友達の中国人ジャーナリストにコンタクトを取ってもらって、足が着いちゃうから携帯電話を使わずプリペイドカード電話にして、自分を僻地の少数民族出身の中国人だということにして、そうすれば中国語がちょっとカタコトでも変じゃないですからね、潜入したんですって。でも当局が追跡してばれて、彼女は逃げ出すんです。そのことも書いてありますが、このように彼女は現状を知っている。だけど、なぜそうなったのか、ということがよくわからない。それで私が、中国の女について儒教文化や歴史から説明する、という本です。
今回この講座は「アジア女性群像」という題名ですが、素敵な人のことばかり話せません。だっていろんな人がいるんですもの。一体中国に美女がいるのか、と聞かれますが、九州の自衛隊員の奥さんはかなりの数中国人です。自衛隊員ってお嫁さんなかなか来てくれないらしいですから。一時、日本の農村に中国女性が嫁に来ることがはやりました。けれども、成功しているところと失敗しているところが、はっきり分かれます。同じ村から複数の嫁が来ているところは、話し言葉の通じる親戚がたくさんいるので寂しくないし、助け合える。それが成功の一番の要因です。
日本の中華レストランでも、マネージャーだけは日本に長く住んでいる中国人ですが、コックやウェイトレスはほとんど出稼ぎで、3年とか5年とか、結婚資金を稼いだら故郷に帰る。次に妹など同じ村出身の若い子たちに交代するんです。それで、その子たちもまた一所懸命働いて帰って、次が来る。これがもっとも安全な方法です。変なことをしたら、次の子を呼んでもらえない。だからみんな頑張るし、不正もしない。友だちが一緒に働いているから仲良く協力もし合える。私がその話をしたら、福島さんが言うのに、日本村と呼ばれる、立派な家が建ち並ぶ村に取材に行ったとき、村人たち全員日本に行って働いてきたというので「どこに行ったの」って聞いても、みんな「知らない」って答える。「観光しなかったの」と聞いたら「しなかった」と。全員で工場の中で暮らして、一切どこにも行かないで3年働いて帰ってきたって。だから、東日本大震災の時に中国人はパニックになったんです。だって自分たちがどこにいるのか分からないんですもの。そこが安全なところなのか、どこに逃げたら帰れるのか。だから一斉に日本から出国したの。