2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第9回 藤田先生 11月24日 2/4
一人っ子政策について
その頃、80年代に入ってからまもなく、「有志の不育」というのがあるのですけれども。つまり進んで生まないということです。志望する有志の人と、独身政策を考えたわけです。5年置きに「無嬰年」という運動を起こした。赤ちゃんがない年ということも実施して、その段階を踏まえて、一人っ子政策に徐々に移行していきました。
というように、政府は人口増長に対する焦り、不安から考え出したのがこの一人っ子政策です。やはり食べることは大変なのでありまして、人口が多いと食料の問題が出てまいります。このように徐々に独身政策、独身を奨励する、結婚しないというのを奨励するのと、結婚しても子供を産まないというのを奨励して、次に、5年に一度絶対産まない年というふうなことを試みたわけです。徐々に一人っ子政策のほうに移行してまいりました。
中国政府が人口抑制を始めたのは実は80年代ではない。1949年からすでに始まったのです。それから1969年までは、ずっと制限していたのです。厳しい制限ではない、たくさん産まないでということでした。
中国は農耕民族なわけですから、労働力が必要なのです。ですから、農村では子供を8人、10人産むことは珍しくないのです。それを徐々に抑えて、4〜5人ぐらいにしましょうというふうなことを、ずっとやってきましたわけです。1970年代から2001年に、一人っ子政策を提唱して、特に80年代に入ってから、人口抑制の問題が重要な課題になってきました。政府は全党員、共青団員への公開の手紙を発布し、呼びかけたのです。この手紙において、今までは「一人っ子政策」は提唱から政治任務に変わります。「皆さん、政治任務だよ、やりなさいよ」というふうに改められたわけです。2002年から現在までは正式立法して、中華人民共和国人口と計画生育法というものが出来たわけです。
こちらにあるのは、表彰状。一人っ子の家庭に送るである表彰状です。一人っ子しか作らなかったという夫婦、家庭に対して配られた証書です。
この政策の具体的な内容は、生育法の18条に書いてあるのです。晩婚、晩育を奨励して、つまり遅く結婚して遅く産む、これを奨励して、1組の夫婦には、子供を1人だけ産むことを提唱する。一人っ子同志が結婚し場合、二人子供を生むことを請求することが出来る。請求しないで勝手に産んではいけないということです。具体的な方法は、各省の人民代表大会及び常務委員が規定を決めているから、それに従って具体的なことは行います。
ここに少数民族も挙げています。少数民族に関しても、この計画生育を実施しますけれども、それぞれの自治区の人民代表大会と常務委員の規定に従うことにしています。少数民族に対して違う待遇をとっております。
そして、これが法律の表紙であります。この政策実施の状況に関しては、いくつかの差異があります。まず大都会と農村の違い。中小都市と農村の違い。大都会、例えば沿海地域、中国の東側ですね。海に面した大都会。たとえば北京とか天津とか上海とか、そういうところですね。そういうところが、非常に政府の目が行き届きますので、厳しく行っているのです。一方、少し中に入った小さい都市、西安、蘇州、四川、成都とか、そういうところ。あるいは田舎に入りますと、政策もなかなか速やかに浸透できないし、田舎とか辺鄙な所だとちょっと難しくなります。
そういうことで、実情としては、都会は比較的に厳密に行っています。田舎や地方ではなかなかうまくいきません。これは、中国人の文化と関係します。中国では古来より男子を重視してきました。労働力としては男子が必要だし、先祖を祀るのも男子の仕事なのです。ですから、女の子よりも男の子がほしいと考えています。
そうすると、無戸籍の子が出てきます。普通ですと、子供が生まると、すぐ市役所に行って戸籍登録します。それが出来ない。中国政府は原則として1人しか登録してくれない。女の子が生まれたら、また女か、登録しない。次また女か、登録しない。というような状態です。やっと男の子が生まれたら、これを登録する、戸籍を持つ。でも、その上の女の子たちはみんな無戸籍です。それを一時期に黒孩子と呼ばれていました。日本のテレビでも紹介しました。小学校へ行く年齢になると、戸籍がないと行けないことになってしまいます。
それから、民族の差異。これは当然漢民族と少数民族のことを言うわけです。基本的に漢民族にこれを厳しく適用しておりまして、少数民族のほうには少し緩やか。
そして階層、クラスですね。階層の差異もあります。これは今、都会と田舎と似たようなケースでもあります。要は、国家幹部というのは、だいたい率先してやらなければいけない。芸能関係者、日本の芸能人もちょっと派手ですね。そういうようなことありますので、少し、その芸能関係者には緩いようであります。