2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第10回 藤田先生 12月01日 1/3
中国の老後生活
よろしくお願いいたします。2回目ですね。先週は、一人っ子の問題についてお話をしました。今日は、「中国の老後生活」について。私も20年くらい中国で生活しましたので、かなり長い間見ています。最近また大変様相が変わりました。だいたい次の4つの項目に分けて、お話を進めていきたいと思います。1番目は、中国の高齢化社会についてご紹介します。2番目は、老人扶養制度について。これは、日本の定年退職された方にも大変関心があるかと思います。3番目は老人の生活資金、どこから来るか、ということです。4番目は、高齢者、老人の晩年生活、どういうふうな日常生活を送っているのか。というような、だいたいこの4つ内容でお話をしたいと思っております。
最近メディアの中国に関する報道というのは、どうも悪い方を宣伝している部分が多いですね。お互いの国の国民は誤解している部分があると思います。そこを少しでも流通させて、現状をお伝えできればと思って、今日は高齢者の生活ということを通じてそれができればと思っております。
中国の高齢化社会というのは、数年前から徐々に増大する傾向にあります。これは当然、先週お話しした一人っ子政策とリンクしてくるわけです。もちろんもう1つは、医療ですね。医療レベルが上がる、生活水準が上がる、こういうことによって高齢者はみな元気で長生きしているということがあります。中国第6回の国勢調査、2010年あたりの統計を見ますと、60歳以上の方は1.78億という人数に達しています。これが、全人口の13.3%を占めるということです。そして、これは前回10年前の国勢調査の結果を踏まえて、成長率、伸び率を概算できるわけです。そうしますと、だいたい来年あたりではおそらく16%に伸びるだろうと。2.21億人になるという概算が出ております。こういう伸び方は、ある意味では良いことでもあります。長生きするというのは結構でございますね。先ほども申し上げたように、生活のレベルが高くならないと、やはり長生きにはつながらないので、この生活レベルの向上と医療サービスの完備、こういうものがやはり大きな原因になるわけです。そして、地理的に見ると、中国の東部、沿海地域、大都会。こういうところの高齢化が進んでおります。奥地に行くと、だんだん少し伸びが鈍いです。これは、やはり大都会の生活環境の改善、生活レベルの向上によるものと考えられております。
さて、その2010年の国勢調査のデータが発表されまして、それを見ますと、総人口はだいたい13億3000万、4000万近くに上っているのです。男性、女性の比率、男性の方は51.27%、女性は48.73%、というふうに、これは総人口の男女の比です。60歳以上の人口が総人口に占める割合が13.26ということです。2010年、2000年と比べて2.93ポイント増加。約3ポイントに近い増加率です。こういう大まかな人数、日本の場合は1億2000万ですか。むこうはでも話によりますと今はもう14億とか。 さて、これをピラミッドにしたデータがあります。こちらは男性、こちらは女性です。下から年齢です。0歳から4歳からずっと行って、一番上は85歳以上。こちらは10万単位の人数です。これを見ますと、なかなか整ったピラミッドの形ではあります。要は、働く人口がどのくらいあるかというと、40歳、44歳、この辺は十分にあります。これによって将来はどうなるかということを予測するわけです。それから、その予備軍として20代人口も今結構多いということで、しばらく大丈夫かもしれません。問題はこの辺です。これはまたなかなか整っているグラフではあります。1番上は0歳〜14歳、これは2億2000万くらい。全体の16.6%。しかし、10年前の調査と比べて、6.29ポイント減ということです。この6.29というのは結構大きい数字だと思います。そしてこの辺の15歳〜59歳、これは増なんです。3.63増。60歳以上も増です。2.93パーセント増です。65歳以上も増です。ということで、子どもだけは減っている。これは出生率の低下を意味しています。この増減のバランスを見ますと、やはり減の方が大きいです。この状況を踏まえて、中国政府は一人っ子政策の変更を考え始めました。