2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第10回 藤田先生 12月01日 2/3
中国の老後生活
次に、中国の高齢者の扶養制度はどうなっているのか。男性の退職年齢は60ということです。女性の場合は、55歳。これは幹部クラス、あるいは大学の先生とか、そういうのは55歳、あるいは60歳の場合もありますけれども、准教授あたりでも55ですね。教授でも大変有名な教授は延びることありますけれども、女性の場合はだいたい55歳。普通の女性事務員とか工場の職員はだいたい50くらいで定年退職です。特に国家機関はこの通りで推移しております。国経営の国営の会社もこれに準じています。ただ、個人経営あるいは外資系の工場とか会社とか、そういうところで働く職員の退職年齢はまちまちです。
中国の公務員の年金はどうなっているのでしょうか。あるいは一般企業の退職者の年金です。これもパーセントは何十年来変わりません。国家機関の退職者、公務員の場合あるいは国家幹部ももちろんそうですが、全額です。100%です。企業の場合は、だいたい基本給×割合、だいたい80%です。
彼らの老後の生活の資金はどういうふうになるのか。まず年金です。次に貯金、それから子どもたちからの援助もあるのです。これは時代とともにちょっと変わりました。昔は給料レベルが低かったとき、子どもたちが就職すると、親にいくらかお金を上げたわけです。これはごく普通でした。最近はあまりしなくなったようですね。しかし、まだ援助している家庭もあると思います。
さて、高齢者たちの晩年生活はどうなっているか、どういうふうに送られているのかしら。さっき、年金の変動ということは申し上げました。給料が上がるときに年金も上がります。高齢者たちは、必ずといっていいほど孫の面倒を見ます。日本のおじいちゃん、おばあちゃんとちょっと違って、「孫の面倒を見るのは絶対だ」、というのです。
中国の保育園、小学校の送迎は大変でございます。毎朝保育園の前の通りは通れません。おじいちゃん、おばあちゃんが大勢来ています。自転車の場合もあれば、自家用車の場合も、もうとにかく通れません。夕方になりますと、同じ現象が再び現れます。おじいちゃん、おばあちゃんはだいぶ前からもう待っているのです。
私は毎年何回も中国の大学に集中講義とか、学生連れて国際交流とか行きます。それで学校の中のホテルに泊まります。中国の大学は全寮制です。先生も全寮です。先生のマンション群があって、従いまして、中国の大学は一つの社会です。デパートもある、病院もある、スーパーもある、食堂もある、プールもある、ジムもある。附属幼稚園から付属高校まである。そうしますと、校庭の中は、朝から晩まで実は様々な年齢層の人が歩いております。学校の中なので安全で、お散歩などにはとてもよろしいです。
しかし、彼らも人生を楽しみます。娯楽です。娯楽は多彩です。ここは、日本の高齢者たちにぜひ学んでいただければいいと思っています。彼らは孤独していないです。孤独を好みません。仲間と一緒が良い。ですから、一日中誰かと一緒におしゃべりしています。朝は公園、あるいは広場や歩道の広いところは全て、高齢者たちの体操および社交ダンス、あるいは太極拳の練習場になります。そして夕方もまた同じ。夕方、特に夏の夜が更けても、彼らは体操をやったり、ダンスをやったり、歌を歌ったり、ローラースケートをやったりしております。大変元気です。特徴としては、男性の場合は将棋をやったり、太極拳をやったり、鳥を散歩させるということです。鳥を散歩させるとは犬と違って、鳥かごに入れて持って散歩します。特に、朝に公園に行って、みんな持ってくるのです。それで適当な枝のところにぶら下げて、鳥を鑑賞します。これはとても楽しいらしいです。中国人は鳥を飼うのが好きです。様々な鳥を飼います。そして、歌を歌う。これも、今みなさんもしチャンスがあれば、北京でも上海でも公園にふらりと入って行ってみてください。そうしたら、どことなくすごい群衆の歌声が聞こえます。