2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第10回 藤田先生 12月01日 3/3
中国の老後生活
女性の場合は、広場踊り。これを、あとで録画をご覧いただきたいと思います。中国の広場は本当に広いです。ローラースケートの場所もあります。何百人が洪水のように輪になってぐるりぐるりと回ります。この中の80%は高齢者、みんなとても元気です。広場のむこうに行きますと、今度はダンスの軍団。これも100人くらいです。そこにテープレコーダーを押す人がいて、最前列に先生のような人がいて、とにかく踊るのです。またむこうに角度を変えて行きますと、今度また100人くらいの人が、何を踊っているかというと、かなり専門的な男女の本格的なダンス、タンゴ。すばらしい。みんなすごく体が細いです。男もとても庶民とは思えない、ダンサーというかんじなのです。また他の角度に変えて行きますと、そこにプロの音楽団が来て、プロの歌手が来て、プロのダンサーが2人来て、段々に座るところがあって演奏を見ている。歌っている人と2人ダンスしているのです。拍手したり、一緒に歌ったり。いつまでやるというと、だいたい10時くらいまでです。特に夏なんかクーラーがもったいないから、外に出れば涼しいです。
彼らは旅行ももちろんします。中国老人の認知症発症年齢が遅いです。みんな元気、頭明晰です。さまざまな娯楽をして、認知症の防止には良いです。これは大変楽しい老後生活ではないかと思います。しかし、問題もあります。どういう問題かといいますと、この独居老人の問題。中国では、巣が空っぽになる老人、こういう言葉、「空巣老人」、意味は独居老人です。要は、家の中に若者がいないということです。これは、特に大都会では非常に顕著に出ておりまして、上海でも3分の1がそうなっています。
人口の流動も問題です。どういうことかと言いますと、農村の人口が今都会に流入してきています。都会でアルバイトしたり、家政婦したり、その方がずっと稼げます。働いて金を稼ぐ。都会の子どもたちは、大学に入るのはもちろん、海外に行きます。留学です。そういう人口の流動というのも、やはり高齢者の孤独を招いてしまいます。そうしますと、それにつれて今度どういう仕事、どういう職業や商売ができるかというと、老人ホームです。中国も今老人ホームがだいぶできております。どうしても面倒見られない場合、高齢者を老人ホームに入れざるをえないです。しかし、とりあえず在宅扶養が一番多いです。80%〜90%。独居老人も含めてのパーセントです。あとの10%、20%は、養老院です。敬老院とか養老院ともいいます。ただ、中国の養老院の歴史はあまり長くありません。レベルもまちまちです。非常にサービスの良いところは非常に金額が高い。普通の人は入れないくらいです。入れるような手頃なところですと、サービスがあまりよくない。というような両極端に分かれていて、そこはちょっと高齢者が困ることも随分出てきました。
中国人には、高齢者を施設に入れるのはやはり若干抵抗があります。要は、孝の精神です。面倒を見るのは親孝行というのはまだ若干あります。「親不孝ですね」と言われるのを心配して入れないで我慢する家庭もあるのが実情です。
もう一つみなさんに、広場踊りを見ていただきたいと思います。
(視聴)