2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第8回 松岡先生 11月17日 2/5
香港の「長者」ライフ 〜返還が保障した老後〜
こんな風に高齢化社会が香港にも押し寄せているのですが、香港自体の経済はまだまだ立ち直っていなくて、中国の経済におんぶする形となっています。中国からの観光客が落としてくれるお金が香港の経済を動かしている側面もあるので、将来の福祉の展望もなかなか大変だと思います。
あと私の友人が言うには、公共福利金、老人生活手当を狙って、今中国大陸から年取った人がよくやってくるんだそうです。7年以上住んでいれば受給資格ができるわけですから、確かに香港のマンションを息子とかに買ってもらって、老人生活手当がもらえるまでそこ住むという作戦もアリだと思います。2046年に、香港が完全に中国の一部になるまでは、いろんな紆余曲折があるようです。
2011年の映画『桃さんのしあわせ』では、返還後の高齢者の実態を垣間見ることができます。この作品は、桃さんという、ある家の家政婦として長らく働いた女性が主人公です。一生独身のまま、50年ぐらい働いていたのですが、ある日脳梗塞で倒れてしまい、彼女の希望で老人ホームに入ることになります。彼女が亡くなるまで、雇い主の青年は彼女の面倒を見、老人ホームでは「僕は桃さんの契仔(親子の契りを結んだ男の子)です」とまで言うのですが、桃さんのような身寄りのない人のある種理想的な老後をシビアな現実と共に描いている作品です。『女人,四十。』と同じアン・ホイ監督の作品ですので、ぜひご覧になってみて下さい。

桃さんのしあわせ
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=jhuvbhRrcdk