2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第6回 関谷先生 10月27日 2/5
30年以上トップでい続けるアジアの歌手たち
今回は、中華圏のポップスのお話をさせていただいていますが、メロディがとてもきれいな所だとお話しました。美しいメロディが数多くあるので、作られた後にもアレンジをして、色々な人が色々な形で時代を超えて歌えるのが中華圏のポップスの素晴らしいところだと思います。
ここで、韓国の、きっとお名前を聞いたことがあるかなと思うんですけれども、1曲聞いてみてください。

(視聴)

東方神起という、大変人気のある、東京ドームでコンサートができるアーティストです。とても格好いいです。よく聴くと、メロディがない。これが今の若い方たちの好きなポップスでもあります。音楽というのはメロディだけで成り立つものじゃないので、いろんな選択がありますが、特にこういうタイプの音楽は本当にメロディがタターン、タターン、タターン、と平板な感じで進み、むしろリズムが重視され、バックトラック、後ろの音に拘りをみせます。
私もこういうの好きですし、今のアジアを韓国が、日本や中華圏のポップス以上に席巻しているのもものすごくよく分かります。これは東方神起が5人の時の「MIROTIC」という曲。これが今アジアの若い人たちを席巻しているタイプの音楽と言えます。
しかし中華圏というのはそういう音楽よりもメロディに拘る、素晴らしいメロディがたくさんある。今日はお腹いっぱい聞いて帰っていただきたいなと思いまして、その美しいメロディの特徴を3つに分けたのでご紹介していきたいと思います。
まず最初は、日本のカバーが人気であったということ。カバーというのは日本の曲をアレンジを変えて、中国語歌詞に変えます。そうして、とても素敵なカバー曲を作っている人たちがいました。今は減っているんですが、特に80年代ぐらいから90年代、特に香港からスターがわーっと出てきましたので、作曲家の方たちがいない、曲が足りない、というので日本のポップスがカバーされました。日本のアーティストで一番カバーされているのが、中島みゆきさんだと思います。100曲以上カバーされています。それからサザンオールスターズとか、安全地帯とか、山口百恵さん。
中島みゆきさんはたくさんカバーされているんですが、その中でも「ルージュ」という曲がカバーされて大ヒットしました。中華圏の90年代を代表する女性シンガーにカバーされました。この人はこの曲がヒットしたことで、90年代のスーパースターになりました。北京で生まれて香港でデビューして、大成功した人です。王菲(フェイ・ウォン)という人なんですが、曲は、中国語タイトルを訳すと「傷つきやすい女性」。

(視聴)

これが中島みゆきさんの曲と言われないとわからないかもしれません。広東語、香港の言葉で歌っています。日本の曲のカヴァーをもう1曲。

(視聴)

これはご存じの方も多いと思います。喜納昌吉さんの「花」のカバーです。ちょっと昔の曲なので、アレンジも今どきという感じはしないですが、歌っているのは周華健(ワーキン・チョウ)。中国語では「花心」という曲。この人も香港人ですけれども、台湾でデビューし80年代から活躍している人です。つい最近も中国の古い詩曲をつけて歌ったアルバムを出して、意欲的にやっている人です。この人のこの曲のおかげで中華圏の人たちはこの曲が大好きで、カラオケで歌えます。中華圏の人たちに非常にフィットしたメロディと言えると思います。日本の曲がこうやっていろいろカバーされていくのは大変うれしいですね。
さて、続いては、「望春風」のように若いアーティストが古い曲をカバーして歌っているのでご紹介します。まず聞いてください。つい最近亡くなりました、李香蘭(リー・シャンラン)の、「夜来香(イェライシャン)」。

(視聴)

李香蘭こと大鷹淑子さんの1944年、上海がまだ映画産業が華やかなりし時の曲。先週お話した「何日君再来(ホーリージュンザイライ)」とともに、この「夜来香(イェライシャン)」曲は本当に中国津々浦々まで行きました。歌詞は、「南風が涼しさを連れてきたわ。ウグイスが寂しそうに泣いているね。花は夜、みな眠りについたけど、イェライシャンだけが甘い香りを放つ」。イェライシャンってキョウチクトウ科の植物だそうで、ロマンティックな曲です。