2014年度 世田谷市民大学 連続講義


「生まれるアジア、老いるアジア」

第6回 関谷先生 10月27日 4/5
30年以上トップでい続けるアジアの歌手たち
そして、この曲をカバーしたのが次にご紹介する、王力宏(ワン・リーホン)というアーティストです。彼はABC、アメリカン・ボーン・チャイニーズ、アメリカで生まれたチャイニーズです。18歳までアメリカにいて、ほとんど中国語をしゃべれなくて、18歳の時に自分のルーツを見たいというので台湾に遊びに来たんです。もともと音楽をやっていたので台湾でソングコンテストに出たら優勝して、そのまま台湾でデビューしました。
やはり彼がこの曲にチャイニーズとしての想いを込めるのはすごくよく分かります。ちなみに、リーホンはこの歌を歌っていた李建復の甥です。

(視聴)

ダンサブルな感じの曲にして歌っていますね。
最後に、自分で作った曲の中に古い伝統的な要素を入れているアーティストと曲を紹介します。
先ほどライブを見ていただいた陶喆(デイヴィット・タオ)と王力宏(ワン・リーホン)と、そして次にご紹介する周杰倫(ジェイ・チョウ)が、2000年前後から中華圏を席巻した男性3人のアーティストと言えます。皆自作自演です。アイドル的な人気もあります。
その中でも圧倒的スーパースターは、ジェイ・チョウ(周杰倫)です。俳優としても大成功。それから自分で監督、脚本、音楽をした映画も大ヒットということで、多才です。ジェイは積極的に中国的なものを入れています。お聞きになればすぐに分かると思いますので、彼の2007年の曲「青花瓷(染付の花瓶)」を聞いていただこうと思います。

(視聴)

この人は映像に対して非常にこだわりのある人で、映画監督もしてしまうので、ミュージックビデオが一つの短編映画のようです。
ジェイが書いたメロディは、今の中国人が最も愛するメロディだと思います。
歌詞は、「花瓶に描き出された青い模様。筆が色濃く、やがて薄く、花瓶に描かれた牡丹は初めて化粧をしたときの君のよう。ゆっくりと白檀が窓をすり抜け、僕ははっとする。画仙紙、中国の書道の紙ですね、画仙紙にここまで筆を走らせ途中で手を止める」。
こういう詩を、これを書いたときはまだジェイは20代。20代で作って歌うというのは日本ではどうでしょう。古い物をリスペクトというのは素晴らしいと思います。
もう1曲、中国の伝統的なものを取り入れているのは、今、台湾で、そして中国でも飛ぶ鳥を落とす勢いのバンドです。蘇打緑(ソーダグリーン)。ボーカルで作詞は全部、作曲もほとんどする男性=呉青峰(ウー・チンフォン)が、とても才能があり、とても深い詞を書くんですね。
一番新しいアルバムは2013年の秋に出た『秋:故事(秋:物語)』というアルバムです。その中の「故事」という曲をご紹介します。
歌詞は、「後ろ向きの感情だったけれども、実は求めていたものは平和、平穏な人生と気づく。人生は夢のよう。運命を受け入れ、自由に生きよう」。
この詞は中国の紀元前の思想家、荘子の思想に基づいています。人為的な物を嫌って、自然を受け入れて、自然に生きましょう、俗世を離れて生きましょうという思想。ボーカルの呉青峰は荘子に影響を受けています。
また、このビデオの最初には、清の時代の康熙帝の詩が出てきます。

(視聴)

最後になってきましたが、中華圏で30年以上一線で活躍しているアーティストがいます。彼らをご紹介します。
中華圏では、よいメロディが愛されますからそれを歌うと息も長くなりますが、香港のスーパースター、四大天王といいますが、92年ぐらいから4人の個性ある香港のスターがまとめてそう言われるようになりました。未だに何かニュースがあるとすぐ新聞の1面になります。
中国には非常に海賊盤が多いのでCDがビジネスにはならない。でも、中国の人たちはライブ、コンサートにはお金を払います。ものすごく高くてもお金を払います。
彼らのコンサートは、老若男女が家族で行って楽しめるとてもショウアップされたものです。ディズニーランドみたいと言ってもいいかもしれません。だからコンサートには家族で行くものです。そこもすごく素敵ですね。