2009年度 世田谷市民大学 連続講義

ムンバイ:“ボリウッド”から世界に発信する大衆文化の都
<レジュメ>
3.ムンバイ:”ボリウッドから世界に発信する大衆文化の都”
| A. |
インド四大都市 |
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ムンバイ:西インド/マハーラーシュトラ州州都/人口 20,870,764人/ 旧名ボンベイ(1995年改称)
デリー:北インド/首都(デリー首都圏)/人口 18,362,625人/ニューデリーとの双子都市
コルカタ:東インド/西ベンガル州州都/人口 15,185,670人/旧名カルカッタ(2001年改称)
チェンナイ:南インド/タミル・ナードゥ州州都/人口 7,196,555人/旧名マドラス(1996年改称)
(人口は2008年現在。出典:Wikipedia「インドの都市人口の順位」) |
| B. |
ムンバイ略史(インド映画史を含む) |
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<語源>
ボンベイ Bombay=ボン・バイア bom baia(ポルトガル語”良質の湾”)
ムンバイ(ムンバイー)Mumbai =
ムンバー・デーヴィー(女神)Mumba Devi
ムンバー・アーイー(母)Mumba Ai |
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<略史>(年号を□で囲んだものは映画史上の出来事) |
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1534 |
ポルトガルがグジャラートのスルタンより取得→「ボンベイ」に |
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1661 |
ポルトガル王の妹とイギリス王の結婚の贈り物としてイギリスに委譲 |
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1687 |
イギリス東インド会社が本拠地をスーラトからボンベイに移す→発展へ |
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1818 |
イギリスが第3次マラーター戦争に勝利、デカン高原を制圧 |
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1850ごろ |
内陸部への鉄道建設の拠点になる |
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1858 |
イギリスによるインド直轄統治開始 |
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1865ごろ |
南北戦争のためアメリカ綿に代わるインド綿需要の拡大 |
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1869 |
スエズ運河開通でボンベイがヨーロッパへの門戸に |
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1896 |
ボンベイでリュミエール兄弟のシネマトグラフがインド初上映 |
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1912 |
初の長編劇映画の製作がボンベイで開始される→1913年完成 |
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1931 |
初のトーキー映画がボンベイで完成→言語別映画製作→映画が「ミュージカル」に |
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1947 |
インド独立 |
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1952 |
初のカラー作品がボンベイで完成 |
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1959 |
初のシネマスコープ作品がボンベイで完成 |
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1961 |
ボンベイに近いプネーに映画研究所設立(フィルム・アーカイヴも) |
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1970末 |
インド映画製作本数が世界一となる(1970年397本→1980年739本) |
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ボンベイの映画界が「ボリウッド」と呼ばれ始める |
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1980年代 |
ビデオ時代到来 |
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1991 |
経済発展始まる |
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1992-93 |
ボンベイ暴動(ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の衝突) |
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1993 |
衛星放送テレビ時代始まる→映画が重要コンテンツに |
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1995 |
右翼政党BJP(インド人民党)とシヴ・セーナーが州選挙で勝利 |
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1995 |
名称を「ボンベイ」から「ムンバイ」に変更 ~以後、駅名、道路名なども変更が続く
(例:ヴィクトリア・ターミナス(VT)駅→チャトラパティー・シヴァージー・ターミナス(CST)駅) |
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2001 |
映画製作本数1013本で初の4桁に |
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2008 |
タージ・マハル・ホテル等で大規模テロ事件 |
| C. |
インド映画の特徴 |
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(1)様式の特徴 |
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①歌と踊りが入る「ミュージカル」である |
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②あらゆる娯楽要素が入る~”ナヴァ・ラサ”=古典演劇理論による9つの情感 |
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| 色気:ラブロマンス |
笑い:コメディ |
哀れ:お涙頂戴 |
| 勇猛さ:アクション |
恐怖:スリル |
驚き:サスペンス |
| 憎悪:敵役の存在 |
怒り:復讐 |
平安:ハッピーエンド |
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③上映時間が長い~ほとんどの作品が2時間40分ないし50分で途中に休憩が入る |
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(2)産業形態の特徴 |
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①年間製作本数が世界一~2008年は1321本 |
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| テルグ語(Telugu) |
・・・285本 |
ボージプリー語(Bhojpuri) |
・・・68本 |
| ヒンディー語(Hindi) |
・・・248本 |
ベンガル語(Bengali) |
・・・66本 |
| タミル語(Tamil) |
・・・175本 |
グジャラーティー語(Gujarathi) |
・・・49本 |
| カンナダ語(Kannada) |
・・・161本 |
オリヤー語(Oriya) |
・・・20本 |
| マラーティー語(Marathi) |
・・・116本 |
パンジャービー語(Punjabi) |
・・・11本 |
| マラヤーラム語(Malayalam) |
・・・86本 |
英語(English) |
・・・10本 |
| 他の言語は1桁/計26言語合計 |
・・・1321本 |
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②多言語製作であり、複数の映画製作中心地を持つ |
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ムンバイ(旧ボンベイ)「ボリウッド」~ヒンディー語、マラーティー語、グジャラーティー語の映画
チェンナイ(旧マドラス)「コリウッド」~タミル語映画
ハイダラーバード~テルグ語映画
ティルヴァナンタプラム(旧トリヴァンドラム)~マラヤーラム語映画
ベンガルール(旧バンガロール)~カンナダ語映画
コルカタ(旧カルカッタ)「トリウッド」~ベンガル語、オリヤー語、東端インド諸語の映画 |
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③テレビ業界、音楽業界、出版業界等を包括する強大なメディアである |
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④国内市場における自国映画占有率が高い |
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⑤海外に数多く輸出されている~東南アジア、アラブ諸国、アフリカ諸国、イギリス、旧ソ連、東欧圏諸国、中国、モンゴル、ドイツ、フランス、アメリカ |
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| D. |
ボリウッドが発信するもの |
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ボリウッド=(狭義)ボンベイのヒンディー語映画界→(広義)インドの娯楽映画
①娯楽~”南”世界におけるハリウッド
②憧れ→上昇志向
③インド人アイデンティティ~<国内>愛国心、<国外>NRIのインド帰属意識
④コンテンツ産業 |
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